音楽ソムリエ

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イト (2017年, クリープハイプ)

自分達がやりたいことは何かを問い直す楽曲

 

クリープハイプは2001年結成のオルタナティヴ・ロックバンド。

 

メンバーは

尾崎世界観(ボーカル・ギター)
小川幸慈(ギター)
長谷川カオナシ(ベース・コーラス)
小泉拓(ドラムス)

 

結成当時は3ピースロックバンドとして始動していましたが、2008年には尾崎世界観さんの一人ユニットになり、翌年、現メンバーの3名が加入して、活動を開始しています。

 

尾崎さんは結成当時は尾崎佑介と本名で活動していましたが、当時よく「世界観がいいよね」と曖昧な評価をされたことを疑問を感じ、尾崎世界観と名乗るようになったとのこと。

*クリープハイプ公式HPより

 

バンドとして活動を始めたのに、一人ユニットになってしまうとは、紆余曲折あったことが想像できます。

 

この「イト」という楽曲は映画『帝一の國』の主題歌として書き下ろされたもので、個性的な楽曲が多いクリープハイプの曲としてはPOP感があり、すごく聴きやすい曲だと思います。

 

ミュージックビデオでは、紙人形と実写を融合させた少しコミカルな映像になっています。

 

メンバーのワイプ画像、合成画像を使わない表現など、細かな工夫がされており、見ていて飽きないものに仕上がっています。

 

そして実はこの曲、歌詞が非常にいいんです。

この曲の歌詞には、イトという言葉に「糸」と「意図」に代表されるようなタブルミーニングが多く含まれています。

 

「誰かの"糸"でぎこちないお辞儀、誰かの"意図"でやるせない動き」という表現があり、その後に「どうか重ねた手の温もりで何度でも探せ」とあります。

 

この曲は誰かの意図で操られている様子を、糸で操られる紙人形のように見立て表現しているのですが、彼ら自身のことを歌っているように聴こえます。

 

自分達がビッグバンドになるにつれて、レコード会社やファンの意図に操られ、自身が本当に目指す音楽ができない葛藤を表しているのではないかと思います。

 

そしてラストのサビ部分は一転してかっこいいライブシーンに変わります。

「どうか重ねた手の温もりで」

ミュージックビデオの冒頭で紙人形のメンバーが手を重ねており、自分達の精一杯の抵抗を示しているようです。

 

しかし、曲終わりには観客が白紙の紙人形になり、自分達の抵抗の結果が、悲しい結末になることも暗示されていることを思わせます。

 

このような"意図"があることを思いながらこの楽曲を聴くと、また違った音に聴こえてきます。クリープハイプの導入曲としてお勧めの曲です。

 

そして、いつの間にか、はまってしまう魅力あるバンドです。

 

音楽ソムリエ

なゆた

 

イト(通常盤)

イト(通常盤)

  • アーティスト: クリープハイプ,尾崎世界観
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2017/04/26
  • メディア: CD
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