音楽ソムリエ

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ナイトフィッシングイズグッド (2008年, サカナクション)

ボヘミアンラプソディーとの関係、その歌詞の意味は!?素晴らしすぎる曲展開!!

 

バラード、テクノ、オペラ、ロック

その曲展開の素晴らしさ

真の音楽体験ができる楽曲

サカナクションの『ナイトフィッシングイズグッド』

 

目次

 

ボヘミアンラプソディーとの関係

2018年、映画「ボヘミアンラプソディー」がアカデミー賞を受賞したこともあり、クイーンが再度日本で流行した。素晴らしい音楽が広く知られることになって嬉しい限りだ。

 

特にクイーンを知らない若い世代に、フレディ・マーキュリーの生き方、才能を持っていながらも悩み、葛藤する人間味に多くの注目が集まり、クイーンの音楽を知る″きっかけ″となったようである。アカデミー賞取れてよかった!

 

映画の題名にもなった「ボヘミアンラプソディー」だが、曲の途中で別の曲に変わるかのような転調の繰り返しが印象的な曲だ。特にオペラ調への展開はものすごく斬新で、素晴らしいものであった。

 

そして、名曲を生み出し続けるサカナクションもクイーンをオマージュした作品を制作している。それがこの『ナイトフィッシングイズグッド』である。

 

作詞作曲を手掛けた山口一郎さんはクイーンのような曲を作ろうとして作ったとのことだ。(作ろうと思って、こんなにいい曲を作れるものなのか・・・。)

 

オマージュにも様々なタイプがある。例えばワンフレーズを原曲に近いものを使用、全体的にバックでゆるりと流すなどなど、分かりやすいものから分かりにくいものまで多々存在する。

 

一方、この曲は完全にサカナクションの曲である。しかし全体的な構成、転調時のリフ、後半のオペラ調からのサビへの展開、ギターサウンド、よく聴いているとクイーンサウンドが随所に聴こえてくるのだ。まさに緻密に計算され尽くしたオマージュ音楽となっている。


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ナイトフィッシングイズグッドの曲展開

展開がすごい!どんどん変わる曲調と物語性!

 

1. バラード

2. テクノ

3. オペラ

4. ロック

 

このように展開していくため、ぼぅ~と聴いていると、いつの間にか別の曲を聴いているかのような感覚に陥る。

 

大きく違う曲調であるのに、滑らかに繋がり展開していく繋ぎ目も注目である。

 

 

歌詞の考察

『ナイトフィッシングイズグッド』は次のサビから始まるフレーズが印象的である。

いつかさよなら 僕は夜に帰るわ

何もかも忘れてしまう前に

ビルの灯りがまるでディレイのように流れてた いつまでも

この導入で歌われるサビの歌詞は何度となく出てくるのだが、歌詞の意味合いや感じ方が後半になると違って聴こえてくるので不思議で面白い。

 

最初のバラード調では、どちらかというとネガティブなイメージの言葉が並ぶ。

 

夢のような世界があるのなら

僕も変われるかな

後ろめたい嘘や悲しみで

汚れたシミもまだそのまま

 

そしてテクノ調に転調してから、歌詞の雰囲気が一転する。テンポが早くなり、オシャレな歌詞かと思いきや、魚釣りだ!

 

というより魚釣りをしている時に、物想いにふけっていたら、魚が掛かった!!そして、アッと我に返ったという感じだ。

 

ゆらゆら揺れる水面の月 忍ぶ足音 気配がした

草を掻き分け 虫を払うかのように君を手招きする

目を細む鳥のように今 川底 舐めるように見る

かの糸 たぐり寄せてしなる 跳ねる水の音がした

 

音楽はどんどん明るくなっていき、盛り上がり、感情の高まるオペラ調の展開へと進んでいく。

 

ラララ きっと僕が踊り暮れる 夜の闇に隠れ潜む

ラララ ずっと僕が待ち焦がれる恋のような素晴らしさよ

 

"躍り暮れる"、"素晴らしさよ"など、ポジティブなワードが並び、楽しく、どんどん盛り上がる。そして、一番気持ちいいところで再びサビに入る。

 

いつかさよなら 僕は夜に帰るわ 何もかも忘れてしまう前に

ビルの灯りがまるでディレイのように流れてた いつまでも

この先でほら 僕を待ってるから行くべきだ 夢の続きは

この夜が明け疲れ果てて眠るまで まだまだ

 

前半と変わって、テンポやコード進行が変わることで、不思議とポジティブな印象に聴こえてくる。

 

そしてエンディングには、印象的なクイーンのギターサウンドが聴こえ、フィニッシュ。何てセンスの良いオマージュ、サカナクションサウンドに見事に昇華させている。

 

彼らのベストアルバム、魚図鑑にはキャッチーなメロディーやいい曲が多すぎて、この楽曲の良さに気づいていない人もいるのではななかろうか。16番の「ナイトフィッシングイズグッド」もう一度よく聴くべし!

 

長い曲だけど・・・

この曲は6分25秒と長い曲であったため、プロモーションの関係でリード曲にはならかった。それでもミュージックビデオを自主製作したのだ。この曲に対する想いが伝わる・・・。

 

実はクイーンのボヘミアンラプソディーも同様で、5分55秒と曲の時間が長く、リード曲にするには苦労していた。当時はラジオで流せる短い曲が売上に直結したため、レコード会社は短めの曲をプッシュするという事情があったようだ。

 

それでもこだわって作った楽曲、長くても名曲である!

 

作り手が一緒懸命に製作した曲、少しでも多くの人に聴いてもらいたいものだ。サカナクションの曲はクオリティが高い。作り手の想いを感じることができる一曲だ。

 

ナイトフィッシングは上級者でないと難しいかな…。しかし、このグルーヴ感を味わうために、一度夜釣りしてみたいものだ。

 

音楽ソムリエ

なゆた

NIGHT FISHING

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