美しいメロディーとのギャップが恐ろしい!
この世界観
メロディーの美しさ
語り
歌詞
好き嫌いあるが、それでも印象強く心に残るのは確か、そんな曲です。
今回は、ゲスの極み乙女 "bye-bye 999" です。
メンバー
川谷絵音(ボーカル・ギター)
休日課長(ベース)
ちゃんMARI(キーボード)
ほな・いこか(ドラムス)
もう麻痺してきて普通に感じる人も多いかもしれませんが、メンバー、バンド名共に変わった名前です。
しかし、音楽は素晴らしい。
2012年にボーカル川谷さんを中心に結成された4人組バンド。プロフィールにはプログレ、ヒップホップを基調とし、独自のポップメロディを奏でるとあります。
プログレとは?
プログレッシブ・ロックの略で、ロックに、クラシックやジャズ、フォーク、地域音楽などを融合させた音楽のことです。
ゲスさんの曲は、たしかにピアノの音が印象的で、ジャズとクラシックの中間のような、鍵盤(ケンバン)の音が引き立つ楽曲が多いです。
私はピアノの音が好きなので、キーボードがメンバーにいるバンドが好きなのですが、そのようなバンドは絶対数が少ないので、個人的には貴重なバンドです。
このbye-bye 999は曲名や歌詞中に出てくる "銀河鉄道" の言葉からも、ゴダイゴの名曲、「銀河鉄道999」にも影響されているのかと思います。
ただ "銀河鉄道999" は旅立ちに対して、すごく前向きな歌詞が印象的なんですが、この曲は暗め、後半の「目を閉じて飛び降りた」という言葉があるように自殺を連想させるような歌詞であり、大きく違います。
また、そのような歌詞とは真逆なサビのメロディー、その美しさが何とも言えません。不思議な違和感と浮遊感、そして最後の結末、ストーリーテラーであることは間違いなし!
楽曲はアコースティックギターの音と川谷さんの "語り" で始まります。本当に誰もが感じる日常を巧みに表現しています。
そして、語りの後に続くサビのメロディーが本当に美しくてきれいです。
さよならさよなら
明くる日の殺伐よ
さよならさよなら
また会うその日まで
誰かの愛した
あなたの仮面が欲しい
さよならさよなら
銀河鉄道に乗っかって
ストリングスの響きと女性コーラス、さらに絶妙なピアノ音、きれいな音です。そして物語が進んでいきます。
汽笛が聞こえた気がした。
思い違いかもしれないけど。僕の向かう先はそこだと
思うんだ、そんな事を考えている。誰もわかってくれなくていいのさ。
誰も見てくれなくていいのさ。
僕は目を閉じて飛び降りた。思いのほか怖くなかった。
苦しい気持ちが伝わってきます・・・。
気付いたら身体が浮いてて
何だか不思議な気分さ
そうか、僕は助けられたのか
涙が溢れた
「気付いたら」、「僕は助けられたのか」という言葉があるように自殺を試みたけど、助かって、その結果、"涙が溢れた" のか?
もしくは、死んでしまい、"明くる日の殺伐" から逃れることができて、"助けられた" と感じたのか? どちらにも読み取れます。
助かっていれば良いのですが・・・、
いずれにしても、この曲自体がものすごく悲しいストーリーです。それとは真逆の美しいメロディーがものすごく印象深く、心に残ります。
さよならさよなら
明くる日の殺伐よ
さよならさよなら
また会うその日まで
誰かの愛した
あなたの仮面が欲しい
さよならさよなら
銀河鉄道に乗っかって
「明くる日の殺伐」は自分にとっては、ものすごく重く、嫌なことであるかもしれません。他の人には分かってはもらえない。
しかし、助かった、もしくは助かってなかったとしても、最後に涙が溢れたのは確か。
この曲には聴いた人に生きることの重要性を、改めて考えさせることができると私は感じました。
bye-bye999というのは、前向きに旅立とうとする気持ちにバイバイしているのかもしれません。
楽曲自体は後ろ向きであっても、客観的に状況を捉えることで、自分の気持ちにも変化が起きるきっかけになるかもしれません。
深く考えさせられる曲ですので、
一度はこのような気持ちを皆様も!
音楽ソムリエ
なゆた