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おなじ話 (2005年, ハンバートハンバート)

おなじ話に隠された悲しく切ない意味、かけがえのないひととき…、この曲を聴くと思い返されるんだ!

 

目次

 

ハンバートハンバート(HUMBERT HUMBERT)とは

1998年結成された佐藤良成、佐野遊穂の男女二人組デュオである。二人は実の夫婦であり、男の子 三人の両親でもある。

 

ナチュラルでさわやかな夫婦、そしてカッコいい!!是非ともこんな夫婦になりたいものだ。

 

 

『おなじ話』

この『おなじ話』は2005年に発売されたハンバートハンバートの3枚目のシングル曲であり、アルバム「11のみじかい話」に収録されている。各地のFM局でパワープレイになったこともあり、私にとってはハンバートハンバートを知るきっかけとなった楽曲だ。


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ギターとハーモニカの美しくシンプルな音に、お二人の響く声が心にしみこむ・・・、そんな楽曲。佐藤さんのよく響く低音ボーカルと佐野さんの透明感のある声が心地よく、二人の声がハモった時に、あ~~となる感じ…。音楽の良さを再認識させてくれる。

 

『おなじ話』の歌詞は、二人が会話するような形式で淡々と進んでいく。会話の受け答えをしているかのようで、していない不思議な歌詞、この歌詞はいったい何を意味しているか?

 

実はリスナーに曲のストーリーを想像させてくれる、そんな素敵な歌詞となっているのだ。

 

歌詞

作詞:佐藤良成

作曲:佐藤良成

どこにいるの? 窓のそばにいるよ
何をしてるの? 何にもしてないよ
そばにおいでよ 今行くから待って
話をしよう         いいよ、まず君から

 

どこにいるの? 君のそばにいるよ
何を見てるの? 君のこと見てるよ
どこへ行くの? どこへも行かないよ
・・・・・・・ ずっとそばにいるよ

それから 僕も君を見つめ
それから いつも同じ話

 

どこにいるの? となりの部屋にいるよ
何をしてるの? 手紙をかいてるの
そばにおいでよ でももう行かなくちゃ
話をしよう         ・・・・・・・・

 

それから 君は僕を見つめ
それから 泣きながらわらった

さよなら ゆうべ夢を見たよ
さよなら いつもおなじ話

 

 

同じ話に隠された悲しいストーリーとは!?

最後に綴られている ″さよなら″ という言葉、この曲は別れを暗示する少し悲しい曲だというのを教えてくれる。

 

登場人物は二人「どこにいるの?」という呼び掛けに、「窓のそばにいるよ」という返事が返ってくる。

 

理由は分からないが、君がどこにいるのか分からない。病気やケガ、もしくは離れた場所に居て会えないだけなのか!?

 

その不安をぶつけるかのように僕からの呼び掛けは続き、君の存在を確認し続けるのだ。

 

最初の歌詞では、呼び掛けに対してきちんと最後まで返事が返ってくる。つまりお互いにやり取りできる状態であり、さよならをする前の過去をなぞっているようだ…。

 

しかし、続く歌詞では、呼び掛けの歌詞中に「・・・・・・・・」と沈黙する部分があり、僕は何らかの理由で呼び掛けをすることができない状態になってしまったことが想像できる。

 

そして、歌詞は次のように続く

″それから 僕も君を見つめ″

″それから いつもおなじ話″

 

ここで、見えていなかった君を何故か僕は君を見つめることができるのだ。そして、ここからは、おなじ話を続けていくことになる。

 

例えば、僕が亡くなってしまい、写真になってしまったので、写真の僕は君を見つめることができた……なんて少し悲しいストーリーが頭をよぎるのである。

 

それとも、亡くなった後の世界で、君を見つめることができるようになったのか……。

 詳細までは描かれていませんが、2人の悲しい別れのストーリーが描かれているのだ。

 

続く最後の歌詞では、「話をしよう」の呼び掛けの後に、今度は君の 「・・・・・・・・」沈黙がある。僕の繰り返される同じ問いかけに言葉を詰まらせる情景が想像できる。

 

″それから 君は僕を見つめ″
″それから 泣きながらわらった″

 

君が写真の僕を見つめて、泣きながら笑ったとすれば…、隠れていた悲しく切ない話が連想されてくる。

 

″さよなら ゆうべ夢を見たよ″
″さよなら いつもおなじ話″

 

歌詞中で初めて ″さよなら″ というお別れを意味する言葉が出て、ゆうべも夢に見たと。

 

一番最後の歌詞

″さよなら いつもおなじ話″

おなじ話と別れようとする気持ち、これが泣きながらわらった理由なのかもしれません。

 

曲名の「おなじ話」、同じフレーズで呼び掛けを繰り返している僕、僕が亡くなってしまうと、おなじ呼び掛けは想像できるけど、返事の言葉に詰まってしまう…

 

歌詞の意味を考えると、隠れた悲しいストーリーが浮かび上がってくる。この解釈が正しいかは分からないが、行間を読むと不思議と浮かび上がる切ないストーリーがある。

 

短い歌詞でありながら、聴き手にたくさんの情景を想像させることができ、本当に美しい歌詞だと思う。

 

また、アコースティックギターとハーモニカのみのシンプルな演奏、そして二人の美しく響く声、聴く人には何事もないやり取りが特別だったと思い返させる歌詞、かけがえのない名曲である。

 

どこか哀愁をおびた音楽が、かけがえのないひとときを思い返させる・・・

そんな楽曲だと想う

 

音楽ソムリエ

なゆた

 

11のみじかい話

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