音楽ソムリエ

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JUMP_ジャンプ (2004年, 忌野清志郎)

色褪せない名曲、未来へのJUMP「ひとつだけ多すぎる朝」その意味するところは!? 

 

好きだな、この音と叫び

今となっては清志郎さんの生き様と重なり、聴いていると泣ける…

名曲へと昇華された『JUMP!!』

 

目次

 

忌野清志郎(いまのわのきよしろう)とは

偉大なロックミュージシャン、UKグラムロックを継承し、パンクなヘアースタイルにド派手なメイク、その音楽に込められたメッセージは若者や社会に大きな影響を与えた。

 

RCサクセションを筆頭に数々のバンド活動を行い、ソウル・ブルースを下地にしたロックサウンド、その圧倒的な存在感、まさにロックスターであった。

 

多くの人を巻き込んで、大きな渦をつくる。清志郎さんの魅力でした。

 

病魔との戦い

2006年、のどに違和感があり、検査を受けたところ喉頭(こうとう)ガンを患っていることが発覚。しかし、ガンを摘出すると、声が出なくなると宣告されたことから、手術はせずに放射線や抗ガン剤での治療を決断した。

 

この時、ファンに向けては「この新しいブルースを楽しむような気持で治療に専念できればと思います。」とコメントを残している。


闘病を続け、2007年には交友のあるアーティストのライブにゲスト出演し、入院以来の歌声を披露する。2008年2月には日本武道館で「完全復活祭」を開き、喉頭がんからの復活を宣言した。

 

しかし、同年7月、左腸骨にガンが転移している事がわかり再び治療に取り組む。完治を目指して療養に専念していたが、2009年5月3日、がん性リンパ管症のため、58歳で亡くなった。


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JUMP_ジャンプ

33作目のシングル曲であり、清志郎さんの楽曲としては後期に製作された曲である。ミュージックビデオでは東京都中野6区の区議会議員に「世界を考えるニューウェーブ」として立候補、選挙活動する様子が描かれている。

 

映像には世界の紛争地域、貧困、爆煙などの写真が挟まれており、世界で起きている悲惨な出来事と、それを解決できない政治や社会を風刺した内容となっている。

 

 

歌詞

作詞:忌野清志郎

作曲:三宅伸治

夜から朝に変わる いつもの時間に
世界はふと考え込んで 朝日が出遅れた
なぜ悲しいニュースばかり
TVは言い続ける
なぜ悲しい嘘ばかり
俺には聞こえる

 

Oh 荷物をまとめて 旅に出よう
Oh もしかしたら君にも会えるね
JUMP 夜が落ちてくるその前に
JUMP もう一度高く JUMPするよ

 

何が起こってるのか 誰にもわからない
いい事が起こるように ただ願うだけさ
眠れない夜ならば 夜通し踊ろう
ひとつだけ多すぎる朝
うしろをついてくる

 

Oh 忘れられないよ 旅に出よう
Oh もしかしたら君にも会えるね
JUMP 夜が落ちてくるその前に
JUMP もう一度高く JUMPするよ

 

世界のど真ん中で
ティンパニーを鳴らして
その前を殺人者が パレードしている
狂気の顔で空は 歌って踊ってる
でも悲しい嘘ばかり 俺には聞こえる

 

Oh くたばっちまう前に 旅に出よう
Oh もしかしたら君にも会えるね
JUMP 夜が落ちてくるその前に
JUMP もう一度高く JUMPするよ
JUMP 夜が落ちてくるその前に
JUMP もう一度高く JUMPするよ

 

歌詞の考察

夜を絶望とネガティブ、朝を希望とポジティブの比喩表現として用いている。夜が落ちてくる前にJUMPして、何かを変えよう、新しく始めよう!と前向きな歌詞が伺える。

 

一点、歌詞の中にはすぐには分からない表現がある。「ひとつだけ多すぎる朝 うしろをついてくる」という部分だ。前文の眠れない夜に、夜通し踊った朝、それに続く「ひとつだけ多すぎる朝」これらの意味が繋がらない。

 

通常、時間が経つことで朝は自然にやって来るものだが、夜を踊り、乗り切れば、もうひとつ別の朝、これまでと違う特別な朝が訪れ、希望が見い出せる。踊る≒何かしらの行動、行動を起こせば、希望はうしろからついてくるということを意味している。

 

また、「ひとつだけ多すぎる朝」は日本語ではあまり使わない言い回しである。これを英訳すると、「One too many mornings」になる。

 

この言葉はBob Dylan_ボブ ディランのアルバム「時代は変わる (The Times They Are a-Changin)」に収録されている曲名と同じであり、清志郎さんは時代を変えるという意味を込めて、この言葉を使用しているのかもしれない。

 

清志郎さんが亡くなってから既に10年以上が経過したが、再度その音楽は注目されている。2020年はコロナの影響で、生のライヴイベントが開催できなかったが、インターネット配信イベントでは、再度彼の音楽性が注目を集め取り上げられている。

 

甲本ヒロトの弔辞

清志郎さんの葬儀で、ザ・クロマニヨンズのボーカルである甲本ヒロトさんが述べた弔辞が忘れられない。

 

「キヨシロー。キヨシロー。あなたとの思い出にはろくなものはございません。突然呼び出して、知らない歌を歌わせたり、なんだか吹きにくいキーのハーモニカを吹かせてみたり。」

 

「レコーディングの作業中にトンチンカンなアドバイスばっかり連発するもんで、レコーディングが滞り、その度に我々は聞こえないふりをするのが必死でした。でも、今思えば、ぜんぶ冗談だったんだよな。・・・」

 

そして忌野清志郎さんとの思い出と、最後に会った時の話を語ると、

 

「今日はありがとうを言いに来たんです。数々の冗談をありがとう。いまいち笑えなかったけど。今日もそうだよ。ひどいよ、この冗談は。うん、でもなるべく笑うよ。キヨシロー、ありがとう。」と手を力いっぱい振り、別れを告げた。

 

この弔辞には色々な思いが詰まっていた。どれだけ大きな存在であったか、世界平和を訴え、病気になっても歌うことを絶対に諦めなかった。優しいロックスター、今後も偉大な音楽は色褪せないのだと思う。

 

音楽ソムリエ

なゆた

GOD

GOD

  • アーティスト:忌野清志郎
  • 発売日: 2005/03/02
  • メディア: CD