平均や中間と比べてしまう…、だけど自分の価値観は大切にしたい!
他人の不幸にほっとする
なぜか安心してしまう
比べても意味がないと分かってるのに…
Vaundy (バウンディ)の『融解sink』
目次
なぜ人と比べてしまうのか?
人間には欲求がある。食、睡眠、性のような生理的欲求から、安全に暮らしたい、愛されたい、承認されたい、自分の夢を実現したい等、高次元の欲求まで、人はこれらの欲求が満たされることで幸福を感じる生き物だ。
承認欲求は、誰かに認めてもらうことで、自分の存在意義を見出だし、自信のなさや不安を補完する。
自分の価値観だけで、人と比べずに突き進める人もいるが、大半の人は周囲との価値観を共有して、誰かに承認してもらいたいものだ。
人と比べてしまうのは当たり前、「自分より不幸な人がいるんだから、弱音なんて吐かないでがんばらなきゃ」と思うことはよくあることだ。
自分が
平均値や中央値よりも良いのか悪いのか?
全体の中でどのくらいの位置にいるのか?
大衆に認めてもらえるかどうか?
そんなことが重要となり、自分のやりたかったことや意図とズレてしまうことも多い。
今は自分の意見を多くの人と共有できるから、周りの目が気になってしまう。匿名であっても気を使わないといけない。何だか、生きづらいな…。そんなことを想う。
いつの間にか他の人の不幸や不安を望んでいないのに、他の人よりも上にいることに安堵している自分に気付き、哀しくなる。
vaundy(バウンディ)とは
作詞、作曲、アレンジを全て自分でこなし、デザインや映像もディレクション、セルフプロデュースするマルチアーティスト。
現在、日本で最も注目されるアーティストの一人だ。
『融解sink』
ベースビートのリフレイン、吸い込まれそうになるメロディー、感情が揺さぶられ、物悲しく、情緒的である。
コーラスは音楽塾ヴォイスに在学中というLeiaさんが担当している。透明感のある声が重なり合うことで、より情緒的で哀愁を帯びる。また、美しい映像のMVが印象に残る。巨大惑星が映る景色と深い海の巨大生物が幻想的だ。
歌詞
ふらっとさ 何か
通り過ぎたような
ぶらっとさ 僕が
外を見た時
他人の
不幸や 不安に
立ち止まって
幸福と 安堵を
吸い取って生きてる
ほらほら透明だ
ほらほら鮮明だ
ほらほら深海に 溶けてくsink
悲しみが消えるこの夢の中で
今も あぁ 探して歌っているんだ
悲しみが増えるこの日々の中で
今も あぁ 探して歌っているんだ
プシュッとさ 開けた
ジュースの缶のような
プシュッとさ 心の
気が抜けていく
他人の
不幸や 不安に
あやかって
幸福と 安堵を
提供している
ほらほら透明だ
ほらほら鮮明だ
ほらほら深海に 溶けてくsink
悲しみが消えるこの夢の中で
今も あぁ 探して歌っているんだ
悲しみが増えるこの日々の中で
今も あぁ 探して歌っているんだ
ゆらいだゆらいだ
ゆらいだ水の中
不快な不快な
息をしている
ゆらいだゆらいだ
ゆらいだ水の中
深いな深いな
沈んでく
悲しみが消えるこの夢の中で
今も あぁ 探して歌っているんだ
悲しみが増えるこの日々の中で
今も あぁ 探して歌っているんだ
歌詞の意味
他人の不幸や不安
それと比べることで自分の安心を得る
他人の悲しみがあることで
自分の幸福と安堵を手に入れる
その矛盾
まるで他人の不幸を望むかのように
夢の中では悲しみが消える
日々の中では悲しみは増える
それに気付いたときに
とてつもなく深く
不快な感情
悲しみなんて無くても
幸福は得られるはず
そんな悲しみの感情は深海に沈めて
溶かしてしまいたい
自分がもう少し自信を持てば
他人と比べることもなくなっていく
そんな自分になりたい
あとがき
人と比べるのは仕方ないと思う。周りを気にせず、自己実現できるほど強くない。しかし、平均や中央値を気にするのではなく、自分の価値観は持っていたいな…。
音楽ソムリエ
なゆた