ブルース、ロック、グレイトソング!
この楽曲に込められた意味
それを知ると
また違う気持ちになる…
目次
忌野 清志郎とは
忌野清志郎(いまわの きよしろう、1951年4月2日 - 2009年5月2日)。偉大なブルースロックミュージシャン。生き方そのものがロックだった。亡くなってからもう10年以上が経とうとしている。しかし、昨年のフジロックでは「忌野清志郎 Rock’n Roll FOREVER」と題して、多くのミュージシャンが集った。いつまでも愛される偉大な人だ。
『デイ・ドリーム・ビリーバー』
大手コンビニチェーンのCMソングにもなっていたため、聴いたことがある人が多いのではないかと思う。原曲はアメリカのロックバンド、モンキーズが1967年に発表したシングル "Daydream Believer" であり、アメリカでも4週連続全米1位を記録したヒット曲である。
この楽曲はTHE TIMERS(ザ・タイマーズ)というバンド、(忌野清志郎によく似ている人物である "ZERRY" が率いる4人組の覆面バンド) によりリリースされた。
THE TIMERSは建設作業員のような出で立ちや、権威を揶揄するような風刺的な曲、社会に対する怒りを題材にすることが多かったが、この "デイドリームビリーバー" は他の曲とはテイストが違う。
原曲の作詞作曲はジョン スチュワートさん、フォークソング界におけるシンガーソングライターの先駆け的存在だ。実は原曲の歌詞と清志郎さんの歌う日本語歌詞はかなり違いがある。
曲名の"デイドリームビリーバー" を日本語に訳すと白昼夢という意味、白昼夢とは真昼に夢を見ているような、非現実的な空想のことを示す。
歌詞
もう今は 彼女はどこにもいない
朝はやく 目覚ましがなっても
そういつも 彼女とくらしてきたよ
ケンカしたり 仲直りしたりずっと夢を見て安心してた
僕は Day Dream Believer
そんで 彼女はクイーンでもそれは 遠い遠い思い出
日が暮れて テーブルに座っても
今は彼女 写真の中で
やさしい目で 僕に微笑むずっと夢を見て幸せだったな
僕は Day Dream Believer
そんで彼女はクイーン
歌詞の意味
一見、付き合っている彼女との別れを意味するようにも思えるが、この歌詞は実の母親に向けての想いを書かれたものである。
清志郎さんは3才の時に実母が亡くなり、伯母夫婦に養子として引き取られたそうだ。そして、その事実は育ての親が亡くなる時に初めて、聞かされた。
その時、初めて実母の写真や手紙を目にした。そんな背景を知ると、実の母親との生活を空想したかのような歌詞、切なさが伝わってくる。写真で初めて知る実母のことを彼女と呼ぶところ、清志郎さんらしいな。
当時の清志郎さんのノート「ネズミに捧ぐ詩」に自分の気持ちを、次のように残している。
37年近く生きてきて
とにかく初めての気持ちなんだ
とっても幸福な気持ち
だけど、涙がどんどん出てきちゃうのさ
気がつくと僕の目に涙があふれている
涙が流れ落ちるんだ
その可愛い顔が見えなくなっちゃうんだ
このような想いを知ると、すごい曲だと想いを馳せてしまう。
清志郎さんの癖になる声が好きだ!
アコースティックギターとハーモニカのシンプルな曲、モンキーズよりも好きだ。
偉大なひと、忌野清志郎。
これからも残していきたい名曲と思う。
音楽ソムリエ
なゆた
(本記事2019年4月14日の記事を再編集したものです。)

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